30~40歳の頃、「服が似合わなくなった」と悩んだことがあります。背中に肉がついて、Tシャツ姿が垢抜けない、脚の肌がゆるんで、丈の短いスカートが痛々しく見える。今まではいい感じに着られていたのに……。そして同じような違和感を肌にも感じるのがこの年代。一晩寝れば直っていた肌疲れが、寝ても直らない。夕方になるとくすみが目立つ……こんな問題が起きるのは、実はエイジングした肌にスキンケアが「似合っていない」せい。そこでつい「これまでは合ってたし」と使い続けてしまいがちですが、似合わないケアは捨て去ったほうが、結果的に長く美肌でいられるもの。だからこそ30歳を過ぎたら、今のケアに固執せず、心機一転「似合うケア」を探してほしいのです。

とはいえ、今は製品の数が多くて選べないと思っている人も。では、どうする? 私がおすすめしたいのは自分至上主義。思い切りワガママに、自分の感覚を信じて選ぶこと。主役は自分。他の誰でもない自分の肌を満足させることだけを考えたい。まずは「私にとって何が大事?」と胸に問いかける。くすみ、小ジワetc.の「悩みをどうにかする」が大事なら、いちばん気になる悩みを解消する美容液やクリームをプラスする。透明感を高めるなど、「肌質を変える」が大事なら、今より少しランクアップした化粧水や乳液を。「老化を予防する」が大事なら、エイジングケアをライン(=プロが作ったコーディネート)で揃えてみるというように。
それから口コミを信じすぎない!
肌は一人ひとり違います。ファッションで「いいよ」と言われても、みんな「私に似合うかな」と考えるはず。スキンケアも少し立ち止まって。またレチノールやビタミンCなど特定の成分を過信するのも危険。というのも化粧品はその成分だけで作られているわけではないからです。加えて意外に忘れてならないのは、感触や香りがキライなものは絶対に避けること。キライだと、つけるとき雑になりがちだし、使わなくなる可能性も大。ここはひとつ、ワガママに「好き」を追求しましょう。

使ってみて、合っているかどうかを知るには、朝、洗顔後の肌を見て。夜つけたものの膜が残っている洗顔前より、肌が本当に元気になったか判断しやすいからです。よさそうと思ったら1カ月は続けて肌を観察。合わないと感じたときは、潔くやめる勇気も必要です。「合っているかわからない……」という声も耳にしますが、私の肌を知っているのはなにより私。ケアを始めた10代の頃に比べて、経験値も上がっているのだから、自分の「いい」をもっと信じる。その確信の積み重ねが、きっとこれから先の美しさを連れてくるのですから。