きょうから始められる!“なんとなく”のスキンケアから卒業するヒント
弓気田みずほ
2025/10/24 00:00
年齢を重ねるほど、肌は季節や体調の影響を受けやすくなります。それでも「昔からの定番をなんとなく使い続けている」「メディアの話題で選んでいる」ということはありませんか。まずは毎日のケアが“惰性”になっていないか、いったん立ち止まって見直してみましょう。小さな見直しでも、肌との向き合い方は大きく変わります。
最初の一歩は「自分の肌を知る」ことです。ここで大切なのは、鏡を近づけすぎないこと。毛穴やシミ、シワの数を数えるより、顔全体の“印象”を見ます。鏡を腕一本分離して持ち、顔全体が一度に映る距離でチェックしましょう。見るポイントは三つ。(1)ツヤ:頬に自然な光がのっていますか。(2)透明感:くすみや不要な赤みは目立っていませんか。(3)なめらかさ:毛穴の目立ちやザラつきはどうでしょう。肌診断アプリも便利ですが、まずは感覚で十分です。「今日はほどよいツヤ」「少しザラつく」など、自分の言葉で捉えてみてください。
次に、「自分がなりたい肌」を具体的にイメージします。たとえば“やわらかく見える肌”“ヘルシーで血色感のある肌”。わかりにくければ、調子のよかった日の肌を思い出すのがおすすめです。目指す印象が決まると選ぶ基準がぶれにくくなり、スキンケアを「ひとつひとつの悩みを消すもの」ではなく「なりたい肌を育てる時間」として捉え直せます。1日2回のケアは、毎日変化する自分の肌に触れて観察する貴重な時間でもあるのです。
肌の印象を育てる主役は、「洗う・潤す・守る」というベーシックケアです。透明感やハリのような“顔全体の印象”は、この土台づくりの積み重ねで決まります。だからこそ、やさしく落とせる洗浄、うるおいが続く保湿、日中の乾燥と紫外線から守る機能に加え、香りやテクスチャー、なじみ方といった“使い心地”にもこだわって選ぶことが大切です。ケアの「手ごたえ」を感じるまでには、早くても2~3週間ほどかかります。無理なく続けられる価格であることも、実はとても重要です。
美容液やシートマスクに力を入れる方も多いのですが、これらはベーシックに“枝葉”としてプラスするものです。日替わりで種類を増やしたり、意味もなく重ねづけしたりすると、かえって変化の理由が見えにくくなります。まずは自分の「軸」に合うベーシックケアをシンプルに続け、そのうえで必要なテーマ(たとえば「保湿を強化」「乾燥によるくすみ対策」など)を一つだけ決め、2~3週間単位で試してみましょう。ベーシックを整える→必要なら一点だけ足す、という順番を守りながら、鏡を腕一本分離した距離でツヤ・透明感・なめらかさの三点を確認していけば、情報に振り回されず、あなたらしい「なりたい肌」の印象へまっすぐ進めます。